片町で愛されてきた『林檎とわかば』が十三間町に移転したのは2020年10月のこと。時間をかけて物件を探したオーナーシェフの菊田裕介さんは、中庭に向けて空間が開いたこの古民家を気に入り、納得のいく形でリノベーションを施した。以前の店舗同様オープンキッチンに面して設けられたカウンター席は相変わらずの特等席。ゆったりと寛げるテーブル席も昼夜で異なる趣きが味わえると評判で、壁に飾られた画家で奥様の菊田響子さんの絵画が空間に凛とした空気感をもたらしている。
菊田シェフはホテルやフレンチレストランで腕を磨いたベテランで、2009年に自身の店を構えてからは数々の名物メニューで評判を呼んできた。5種類全てを制覇したくなる「グラタン」はランチタイムのみに味わえる人気メニューで、セットで頼むのがおすすめ。また、客の目の前で仕上げを行う「目の前モンブラン」は、あまりの人気にコース料理のデザートにはプチサイズをセットするようになったほどだ。
ディナーはシェフの世界観が堪能できるコースが断然おすすめだ。限られた量しか取引されないという滋賀県「岡崎牧場」の近江牛はシェフが惚れ込む逸品で、品質に比して値付けはかなり良心的。近江牛のフィレステーキをメインに据えたコースは、常連客の間ではかなりコスパが高いと評判なのだ。「いい意味でこだわりがない」という菊田シェフの料理は、フレンチのエッセンスは残しつつも食材に地物を積極的に取り入れるなど、とてもチャレンジングで、それでいて優しいぬくもりがある。見た目の華やかさだけではなく、食感の面白さや味わいの新しさを考え、ささやかな感動や発見を与えてくれる隠れ家の味。大切な人とだけシェアしたい特別なレストランとして長く付き合っていきたい店である。
料理に集中するあまり仕事中は不愛想に見えるかもしれませんが、どうか怖がらずに気軽に声をかけて下さいね(笑)実はお客様との交流も密かに楽しみにしています。
オーナーシェフ 菊田裕介
ワイン・スパークリングワイン・ビール・ソフトドリンクのいずれでもご注文いただけます。
【未使用失効期限】
※最終のご利用日から、1年間を経過すると常連特典は失効となります。