金沢駅前東口エリアの中でも、近年、とりわけ存在感を高めている金沢駅前別院通り商店街。その入り口に位置する『げんかん』は、弁柄格子に暖簾が映える店構えが印象的だ。 料理は、車麩やバイ貝、赤巻など、金沢ならではのタネをふんだんに取り揃えた「おでん」が人気で、旬の魚介の造りや、のどぐろの塩焼き、季節の加賀野菜の天ぷらなど、地元民のみならず、観光客の欲求を満たしてくれるラインナップ。店が必ず頼んで欲しいと自信を見せるのは数量限定のイワシのつみれ。滑らかな口当たりと澄んだダシが優しいコントラストを醸し出す一品だ。ほかにも、能登もずくや、ほたるいかの沖漬け、炙りへしこなど、じっくり地酒を味わいたくなるようなつまみを多数揃えている。 また、店内は明るく入りやすい雰囲気のためか、一人飲みを楽しむ客の姿も珍しくない。そんな人には生ビールや造り、おでんや小鉢がセットになって1000円以上がお得に楽しめる「ちょい飲みセット」がおすすめだ。 2019年秋のリニューアルから店を任されている店主の宮下 守さんは、ちょっとシャイで真面目を絵に描いたような人。彼に優しく微笑まれると、ついもう一杯頼んでしまおうかという気になるから不思議だ。そんな居心地の良さも『げんかん』の魅力と言えるだろう。