金沢駅前別院通りの中ほどに店を構える『万場 駅前本店』は、弁柄の赤と群青壁の青を彷彿とさせるビビッドな配色が目を引く焼肉店。オーナーの柿谷医さんは複数の飲食店を運営しているが、切りたての肉の旨さに魅了されて以来、時間ができると店に立ち手切りによる肉のオーダーカットに勤しんでいる。「注文が入ってから肉に包丁を入れるため少々時間はかかりますが、瑞々しい肉の味わいには満足していただけるはず」と自信を見せる。片面を３秒ずつ炙り特製おろしを巻いて食べる名物の牛もも肉の３秒炙りは、客のほとんどが注文する看板メニューだ。ほかにも、その日のおすすめはホワイトボードに控えめにまとめられているのだが、実は極旨肉が並んでいるため、よく知る人はボードのメニューから順に注文していく。なので、おすすめがあればラッキー、早めに押さえておくに限る。 オーナーの柿谷さんが店にいる時は、だいたい黙々と肉の塊と格闘しているはずだが、その熱い肉愛は食べきれないほど並んだメニューにびっしり詰まっているので、肉を待つ間にぜひ読み込んで欲しい。肉はもちろん地元食材や調味料、美味しいものに対するこだわりが伝わってきて、『万場』での焼肉タイムが一層楽しいものになるはずだ。また、辛いもの好きならば、迷わず真っ赤なスープの「辛い」シリーズもチェックしてみて。「辛いスープ」や「辛いらーめん」、「辛いクッパ」は、いわゆるテグタンがベースで辛さの中に旨味が凝縮していると評判だ。肉好きの大人たちはもちろん、若者やサラリーマンなどが気軽に足を運び、満足した顔で店を後にする。そんな姿が平日から見られる別院通りの人気店である。