肉好き、魚好き、野菜好き、チーズ好き、スイーツ好きのいずれかに当てはまるなら、きっとこの店にもハマるはずだ。「ワインの酒場」と謳うだけあり、手ごろな価格帯のワインを常時ボトルで40種以上、グラスで10種近く揃え、グラスから升にこぼれるまで注ぐ「あふれスパークリング」や生フルーツサワーなど目にも楽しいドリンク類も多種ラインナップしているが、料理の充実ぶりは更にその上をいく。オーナーの横山晃丈さんはフレンチやイタリアン、ホテルに居酒屋、パティスリーなど、多様な環境で幅広く食の仕事に触れた経験を活かして、サービス精神と好奇心の赴くままにメニューを量産。その情熱は壁一面を埋め尽くす黒板メニューにも表れている。優に80種は超える料理の全てを一人で繰り出すのだから常に体も頭もフル回転だ。「簡単なアレンジでバリエーションが出せるものもありますし、仕込みが７～８割なので意外と大丈夫です」と語るが、なんとコロナ禍に厨房を拡張しピザ窯まで新設。客を喜ばせること、驚かせることにどこまでも貪欲だ。食材にもきちんとこだわっており「西田農園」や「家族野菜つぐつぐ」の有機野菜や珍しい野菜を使ったバーニャカウダや、旬の魚介のアヒージョやスモークなど、素材の持ち味を生かした自慢の一品は数えきれないほど。気になるメニューが多すぎて客のほとんどがリピーターになってしまうというのも料理やサービスの満足度が高いという証だ。口コミで評判を呼んだガトーショコラやチーズケーキをはじめ、デザート類もすべて自家製。相当な熱量をはらんだ、このやり過ぎ感こそが『mono』と横山オーナーの魅力なのだ。