ジョージア料理が楽しめる店は、北陸はもちろん日本にもそう多くはない。2018年に金沢市の柿木畠に誕生した『ビストロ パザパ』の店主・前田洋昭さんは、地元の老舗フランス料理店でシェフを務めた後、ジョージアの日本大使館でも料理経験を積んだベテランで、店では２つの国の料理が気軽に味わえると好評だ。ジョージアはシルクロード上の国としても繁栄し、東にアジア、西にヨーロッパ、南に中東、北にロシアという位置にあるため、料理にも様々な地域の特性を含んでいる。スパイスや胡桃、乳製品や香草を用いた料理が多く日本人の口にも合いやすい。客のほとんどが注文するという「シュクメルリ」や「ヒンカリ」、「ハチャプリ」を食べれば納得するはずだ。また、ジョージアといえばワイン発祥の地としても知られているが、ここではユネスコ無形文化遺産に登録されているクヴェブリ製法のワインを充実させているので、料理との相性はもちろん、ワインそのものの個性もぜひ試してみてほしい。 また、北陸の新鮮な食材を使って前田流にブラッシュアップさせたフランス料理やジョージア料理は、素材のポテンシャルを一層高め、いずれもここでしか味わえない一品に仕上がっている。 まずは10種ほどを盛り合わせた前菜を押さえ、シェフと気軽にコミュニケーションをとりながら壁や黒板に並ぶおすすめから気になるメニューを選んでみよう。 メニューブックに踊る肉の煮込みや、鮮魚を使った料理の評判も高い。見慣れぬ名前のメニューに心惹かれた人は、何度もこの店の扉を開けることになるだろう。