「船」をコンセプトとしたビストロバー『アンカー』は、片町と伝馬町が隣接する路地に面したビルの２階に佇む。帆船のキャビンやサロンを思わせる店内は、細部にまでこだわったバーカウンターや特注のテーブル、舵輪などが設えられた大人の空間。誰もがゆったりと寛げる雰囲気が漂っている。ビストロバーというだけあり、専属シェフによるフードメニューも充実しており、季節の食材を生かした料理は前菜からデザートまでの全てが自家製で評判が高い。とりわけ、圧倒的な人気を誇るのが4種のソースが用意されているオムライスだ。食事としても飲んだ後の〆としても人気で、テイクアウトの要望があまりに増えたため、オーナーの奥泉翔太さんはコロナ禍にフードトラックによる移動販売をスタート。それを発展させたデリバリーレストランという形態では、自宅や屋外でアンカーのコースが楽しめるスタイルも確立。今では黒を基調としたお洒落なキッチンカーが、イベント会場や駐車場の一角に呼ばれる光景も見られるようになり、そこで『アンカー』の魅力を知った人が店へ足を運ぶ好循環も生まれている。 　バーの本流でもあるドリンク類はハードリカーやカクテル、ビール、ワインはもちろん、ノンアルコールカクテルやソフトドリンクも多彩にラインナップし、ハンドドリップコーヒーまで提供している。真夜中にコーヒーと自家製スイーツを一緒に味わうカフェ使いもできるため、飲まない人の間でも密かに話題を呼んでいるのだ。『アンカー』はきめ細かいサービスで様々なシーンを心地よく包み込んでいる。